オープンイヤーイヤホンは、仕事や家事をしながら音楽や通話ができ、周囲の音を聞き取れるため安全性や利便性が高いといわれています。今回は、今注目のオープンイヤーイヤホンのおすすめ10選を紹介しながら、オープンイヤーイヤホンの魅力と効率的な使い方、時短につながる理由について詳しく解説していきます。
オープンイヤーイヤホンで時短できる理由
オープンイヤーイヤホンとは、耳をふさがない状態で使えるイヤホンのことで、周囲の音を聞いたり、会話したりしながら音楽やポッドキャスト、ラジオなどを楽しむことができます。オープンイヤーイヤホンには骨伝導・軟骨伝導のものと、耳の穴を塞がないように耳にひっかけて装着する空気伝導のものがあります。
オープンイヤーイヤホンは、以下で説明しているようにマルチタスクをしやすくなり、周囲の状況を素早く把握できるようになることは作業の効率化につながり、時短に直結します。音声情報を聞きながら日常生活・業務を並行できるようになることは、かなり便利な時短アイテムといえるでしょう。また、装着・取り外しの手間が減ることも時短につながります。
マルチタスクのしやすさ
オープンイヤーイヤホンは、周囲の音を遮断しないため、音楽視聴・通話をしながら他の作業を同時に行えます。例えば、以下のような場面で活躍します。
- レシピ動画を聞きながら料理をし、宅配便の来訪にも備える
- 通勤中にオーディオブックを聴きながら、周囲の状況を把握する
- 仕事中オンラインミーティングに参加しながら、同僚の会話を聞き取る
- TVのニュースをチェックしながら、家事と電話通話を並行して行う
周囲の状況を素早く把握できる
耳が塞がれた状態になる従来のカナル型イヤホン・ヘッドホンを装着すると、周囲の音が遮断され、注意を払わなければならない場面でも気づきにくくなります。しかし、オープンイヤーイヤホンであれば、以下の状況でも比較的早くに気づくことができ、素早く把握・対応できるようになります。
- 呼びかけられたときにすぐに反応できる
- エンジン音やブレーキ音、自転車の移動音など、周囲の音を聞きながら、安全に移動できる
- 通話や音楽視聴しながらでも、会話をスムーズに続けられ、質の高いコミュニケーションを継続できる
イヤホンの装着・取り外しの手間が省ける
これまでのカナル型のイヤホン・ヘッドホンは、邪魔になるたびに装着・取り外しの手間が必要でした。オープンイヤーイヤホンであれば、装着したままでもできる業務・生活活動も多くなって装着・取り外しの手間が少なくなり、以下のようなメリットも生じます。
- イヤホン着脱の時間を節約できる
- イヤホンを探したり、収納したりする手間が減る
- イヤホンをなくしにくくなる
- 圧迫感が少なく長時間快適に使用できるため、QOLが高くなる
集中力の維持しやすい
オープンイヤーイヤホンを使用すると、以下のしながらでも必要な業務・家事ができるようになり、必要な情報を逃すこともなくなるため、作業に集中することができます。
- 集中力を高めるためBGMを聴いていても、会話や指示を聞き逃すことがなくなる
- オンライン・オフラインの会議を同時に行っても意見を聞き逃すことがなくなる
- 音楽を聞きながらでも安全確認をしやすくなり、トレーニングに集中できる
オープンイヤーイヤホンに関する心配事について
オープンイヤーイヤホンは、非常に便利なアイテムですが、以下のようなデメリットがあり、ネットやSNSでも不安な意見を目にします。
オープンイヤーイヤホンと自転車
オープンイヤーイヤホン(骨伝導・軟骨伝導イヤホンを含む)を着用しながら自転車に乗ることについては、令和5年(2023年)の警視庁文書に以下の記載があり、2025年3月現在においては、法律上では規制されていないようです。
……これらを踏まえ、イヤホン等を使用した自転車利用者に対する指導取締りに当たっては、イヤホン等の使用という外形的事実のみに着目して画一的に違反の成否を判断するのではなく、例えば、警察官が声掛けをした際の運転者の反応を確認したり、運転者にイヤホン等の提示を求め、その形状や音量等から、これを使用して自転車を運転する場合に周囲の音又は声が聞こえない状態となるかどうかを確認したりすることにより、個別具体の事実関係に即して違反の成否を判断すること。……
https://www.npa.go.jp/laws/notification/koutuu/shidou/iyahonryuuijikou.pdf
しかし、地域によっては規制されている場合もあり、万が一オープンイヤーイヤホンを着用した状態で事故を起こした場合は被害者から訴えられる恐れがあり、周囲の音を聞き取れない状態であると判断された場合は「安全運転義務違反」に問われる可能性があります。基本的には、編集部としては、オープンイヤーイヤホンを装着して自転車に乗ることはおすすめしていません。もし、装着しながら乗る場合は、あくまでも自己責任のもとで乗るようにし、周囲の安全には十分注意しながら乗るようにしてください。
オープンイヤーイヤホンと難聴
今までのカナル型イヤホンに比べると、オープンイヤーイヤホンは聴覚組織への負担が少ないといわれています。とくに、骨伝導・軟骨伝導のものは、周囲がうるさい状態でも過度に音量を上げなくても音が聞こえるため、聴覚組織への負担をかなり軽減することができ、イヤホン難聴を予防することができます。
ただし、骨伝導・軟骨伝導のものも含め、オープンイヤーイヤホンが聴覚組織に全く負担をかけないというわけではありません。過度の音量で聞いた場合には負担がかかり、難聴の原因になる恐れもあるので、音量には十分に注意して使用してください。
オープンイヤーイヤホンと音漏れ
オープンイヤーイヤホンは、カナル型のイヤホンに比べると、音漏れしやすいです。街中や交通の多い場所などであれな気になるほどではありませんが、仕事場など、静かな環境では気になりやすい傾向にあります。使用するときは、音量に注意するようにしましょう。また、長時間の連続使用も負担になるため、適宜はずして耳を休ませるようにしてください。
オープンイヤーイヤホンのデメリットについて
オープンイヤーイヤホンにはメリットが多く、時短・効率化を目指すならぜひ取り入れて欲しいガジェットではありますが、以下のようなデメリットもあります。状況や好み、目的に応じて使い分けると、さらにQOLが上がるでしょう。
- 音質に物足りなさを感じることがある(とくに、低音が弱く感じやすい)
- 音がうるさい環境では聞こえにくいなど、外部の音の影響を受けやすい
- カナル型イヤホンに比べて音漏れしやすい
- 比較的高価で、安価なものの中には低品質なものが多い
おすすめのオープンイヤーイヤホン
オープンイヤーイヤホンは、基本的にはワイヤレスを選ぶことになると思いますので(有線タイプもあります)、まずは接続が安定したモデルを選ぶようにしましょう。音質には好みがあり、聞く音楽の種類によってもおすすめが変わってきますが、スピーカー・ヘッドホン・イヤホンの実績のあるメーカーを優先してチェックすることをおすすめします。とくに、骨伝導・軟骨伝導のものに関しては、クオリティ・装着感にかなり差があります。編集部で検証したところでは、以下のオープンイヤーイヤホンは、どのような人でも満足感が得られると判断しています。
Shokz OpenFit2
Shokz OpenFit2は、オープンイヤーイヤホン・骨伝導イヤホンのパイオニア的存在のShokzから出ている空気伝導タイプのオープンイヤーイヤホンです。少し価格は高めですが、フックタイプのなかでは装着感・音質が圧倒的に良く、運動時にもズレたり接続が切れたりすることはありません。内蔵マイクも声をしっかりひろってくれるので、仕事でも使えます。最大48時間の連続使用が可能なので、朝のランニング→朝食→通勤→オンライン会議というようなタフなスケジュールでも1日中使えます。
Anker Soundcore AeroFit2
Anker Soundcore AeroFit2は、Ankerのオーディオブランド「Soundcore」のハイエンドクラスの空気伝導・フックタイプのオープンイヤーイヤホンです。Soundcoreシリーズは、アプリでの設定が便利で、接続機器の切り替えや音質調整が簡単にできて便利です。ハンズフリー機能も安定していて、48時間連続再生可能なので、タフな使用もOKです。Ankerはアンテナショップが国内に多くあり、サポートも充実しています。品質・信頼度を考えると、この価格で買えることはかなりお得に感じると思います。
JBL SOUNDGEAR SENSE
JBL SOUNDGEAR SENSEは、ワイヤレススピーカーで人気のJBLから出ている高品質のオープンイヤーイヤホンです。スタンダードな空気伝導・フックタイプで感覚的に使えますし、アプリで音質調整もできます。最大24時間再生と、再生時間はShokz OpenFit2・Anker Soundcore AeroFit2よりも落ちますが、価格とのバランスを考えるとコスパが良いです。毎日こまめに充電できるのであれば、サウンドライフの満足度向上に役立つはずです。
Anker Soundcore C40i
Anker Soundcore C40iは、Soundcoreブランドの空気伝導・イヤーカフタイプのオープンイヤーイヤホンです。イヤーカフタイプののイヤホンは、装着感の個人差が大きく、ベストマッチする装着位置を探る必要もあります。Anker Soundcore C40iは、装着位置を探りやすくなっていて、耳にしっかりフィットするのに締めつけ感が少なく、イヤーカフタイプにありがちな「重さで耳を引っ張る違和感」も出にくい印象です。音質やマイクの品質も問題なく、最大21時間再生なので、長時間でも安心して使えます。
SOUNDPEATS CC PearlClip Pro
SOUNDPEATS CC PearlClip Proは、高コスパのイヤホンメーカーSOUNDPEATSが展開するオープンイヤーイヤホンです。価格は抑えていますが、音質・安定感は申し分なく、このモデルに関しては軽くて装着感が抜群です。最大30時間再生なのでタフなスケジュールでも十分に使えます。イヤーカフタイプは使用感に個人差が出るので、まずは試したみたいという人のエントリーモデルとしてもおすすめです。
nwm ONE
nwm ONEは、まだ珍しいヘッドホン型のオープンイヤーイヤホンで、NTTの独自の技術で音を閉じ込めることで音漏れを防ぎ、必要な音だけを取り出しています。軽くて装着感が良く、耳が全く覆われないので開放感がかなりあります。低音・中音・高音がしっかり出ますし、音質の調整も可能です。音質にはこだわりたいのでヘッドホンを使いたいけど、周囲の音は遮断したくないという人にぜひともおすすめしたいです。
Shokz OpenRun
Shokz OpenRunは、IP67の防塵防水機能を備えた骨伝導・空気伝導ミックスタイプのオープンイヤーイヤホンで、骨伝導の弱点でもあるステレオ感のなさ・音質の悪さを改善しています。ひと昔前の骨伝導イヤホンは、音楽鑑賞に耐えられる音質ではありませんでしたが、現在のShokzのイヤホンは、低音から高音まできちんと再現できていて、音楽を十分に楽しめます。再生時間は少なめですが、耳が痛くならない快適な装着感と高品質の安定性・音質を考えるとかなり使い勝手が良く、お得な価格におさまっている印象です。
Shokz OpenRun Pro2
Shokz OpenRun Pro2は、Shokz OpenRunと同じ骨伝導・空気伝導ミックスタイプのオープにヤーイヤホンで、音質・再生時間がすぐれています。価格ではShokz OpenRunがお得ではあるのですが、音質・再生時間にこだわりたいという人で予算に合うのであれば、Shokz OpenRun Pro2をおすすめします。
Shokz OpenComm2
Shokz OpenComm2は、Shokz OpenRun・OpenRun Pro2と同じ骨伝導・空気伝導ミックスタイプですが、ビジネス使用に特化したモデルです。Mac・PC・スマホとの接続相性が良く、ノイズキャンセリング機能があるマイクアームがついています。IP55の防水防塵機能があるので、少しの水濡れであれば問題はなく使えます。リモートワークやオンラインミーティングをする機会が多い人に強くおすすめしたいイヤホンです。
オーディオテクニカ ATH-CC500BT2
オーディオテクニカ ATH-CC500BT2は、軟骨伝導を採用したオープンイヤーイヤホンです。軟骨伝導とは耳介軟骨を伝導経路に使う技術で、頭蓋骨を伝導経路に使う骨伝導よりも、使用時の頭の違和感・締めつけ感・痛みが軽減されます。また、左右それぞれの耳介軟骨で響くため、頭蓋骨全体で響く骨伝導よりもステレオ感を得やすいです。
まとめ:オープンイヤーイヤホンは時短・QOL向上に役立つガジェット。音に超こだわるならカナル型・ヘッドホンとの使い分けがおすすめ
オープンイヤーイヤホンは、マルチタスクとコミュニケーションの向上を実現することでQOLを向上できる魅力あるガジェットです。時短・効率重視の「タイパ」を大切に考える現代では、今後必要になる場面も増えてくるでしょうし、品質もどんどん向上するでしょう。今は価格のバランスが良い製品が多く、音楽鑑賞も十分に楽しめる品質になっています。この機会に、ぜひ試してみてください。なお、「音楽をしっかり楽しみたいので音質は妥協したくない」「FPSゲームをするので遅延・音の立体感が気になる」という人は、オープンイヤーイヤホンとカナル型イヤホン・ヘッドホンを使い分けても良いと思います(もちろん、オープンイヤーイヤホンでも十分使えます)。
まとめのまとめ
- オープンイヤーイヤホンにはデメリットもあるが、現在は品質が向上し、デメリットを感じにくくなっている
- 選ぶときは、装着感を確認するのがおすすめ
- 骨伝導タイプのイヤホンは、技術の向上でかなり使用感が良くなっている
- 音質に超こだわりたい人は、オープンイヤーイヤホンとカナル型イヤホン・ヘッドホンを使いわけるのがおすすめ
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